WOWOWが LiveUを活用しシームレス·リモートプロダクションを実現 日本人プレーヤー専用フィードで全ホールカバー
WOWOWがマルチカメラ·リモートプロダクションにLiveUテクノロジーを導入。2020年12月に開催された全米女子オープンゴルフにおいて革新的なプレーヤーフォロー·カバレッジを視聴者に提供した。
全米ゴルフ協会 (USGA)が主催するこのトーナメントは、LPGAツアー5大メジャーの中でも最も長い歴史を持つ大会。WOWOWは視聴者のエンゲージメントを高めるため、リモートプロダクションの特性を生かし新型コロナ感染拡大防止ガイドラインも遵守、カバレッジの大幅な拡大に成功した。
クルーは現地への移動に先立ちPCR検査を受診、移動後もUSGAが手配した検査を受診し陰性が確認されたうえで会場入りが許可された。毎朝の検温や外出制限、選手インタビュー時のソーシャルディスタンス確保など新型コロナ感染対策を徹底した。
日本からはプロデューサーと音声担当者の計2名のみ現地入りし、アメリカ在住のプロダクションクルーとチームを組み複数のLiveUを用いた IPソリューションを活用。畑岡奈紗選手·渋野日向子選手のプレーを、それぞれ2台の専用カメラとLiveUユニットで追いかけ全ホールプレーに密着、一挙一動を余すことなくWOWOWメンバーズオンデマンドの各選手専用チャンネルで配信した。このほかにも1ユニットを映像素材伝送に用い、合計5台のLiveUと現地ラウンド解説者によって、独自の映像と情報がテキサス·ヒューストンの会場から完全生中継で視聴者に届けられた。
WOWOW スポーツ局スポーツ部·戸田祐子プロデューサーは、「特定の選手の全ホールを見せることができて、新しい視聴スタイルを楽しんでいただけたと思う。LiveUの調子が良好だったので、ディレイを1~2秒に設定し現地解説者と東京にいる解説·実況者との顔出しの掛け合いも出来た。」と振り返る。
現地からのフィードは、大会会場から東京にある放送センターにダイレクトに送られ、コメンタリーやグラフィックが加えられた。オンデマンド配信された映像は、ワールドフィードにインサートしWOWOWプライム/WOWOWライブでも放送された。
戸田氏は「10年前は、まず現地のカメラで撮影し、映像を収録したディスクを伝送車に持って行き、日本に伝送。日本でハイライトを制作したのち中継内で放送していたことを考えると、簡単に日本に生の映像を送れるのは本当に素晴らしいことです。また、様々な可能性が広がりました。スポーツ中継において『生』であることは重要であり、現地の臨場感や緊張感を伝えることができます。今後もLiveUの機材を使わせて頂き、新しいことに挑戦していきたいと思います。」と加えた。
LiveUは、ゴルフ中継のような放送に求められる条件が厳しいコンテンツにおいても、一切の妥協を許さず視聴者の期待に応えるクオリティーを提供。
LiveUアジア·ゼネラルマネジャーのYaal Eshelは、「WOWOWは伝送コストが嵩む衛星やファイバーから私たちのテクノロジーに切り替えプレミアムスポーツコンテンツのカバレッジに最大限に活用しただけでなく、リモートマルチカメラ·プロダクションのアドバンデージを利用しスポーツ制作体制にイノベーションを生み出しました。視聴者が求める映像を逃さず提供することで、ファン·エンゲージメントの向上にも繋げています。今後もWOWOWがどのような進化を遂げていくのか、目が離せません。」と語った。